椅子らしい椅子をあえて選びました。
座面高は25cm。小さい椅子の標準的な高さで、大人も子供も使いやすいと思います。「木の椅子」は作家4人で意見を出し合って作った共作です。この時のテーマは見覚えのある形でした。昔、学校にあった椅子を小さい椅子として作ったらどうだろうと思ってチャレンジしたものです。
学校椅子といわれるものは当時の職人さんが考え抜いた形と作りになっています。たくさん作れて、丈夫に仕上げることが大事だったのだと思います。見習う点がいっぱいあります。また、長い年月使われたときに見せる表情、姿がいいですね。今でもアンティークとして人気があるのもわかります。
木の椅子のデザインは学校椅子のさらに原点と思われる椅子の形から再出発しました。ですから少しだけ線を細くして、後ろ脚にはゆるいカーブを付けました。昔の学校椅子と同じなのはムク材を使っていること。時が経ったときに同じように味わい深い椅子になってくれたらと思います。
3色用意しました。
材料はタモを使いました。表情が良いのと軽く、丈夫に仕上がるからです。また、木目を立たせる「うずくり」という工程も入れました。ナチュラル、白色、濃い茶色の3色で選べます。着色オイルはこういうクラシックなデザインにこそ合います。使っていくうちにこすれた部分に木地が見えるようになり、それが独特の雰囲気につながります。気兼ねなく使って古びる風合いを楽しんでもらいたいですね。
木の椅子
現在注文は受けておりません。
サイズ：W28×D29×H47×SH25cm
材：タモ
仕上げ：オイル仕上げ
デザイン：小さい椅子作家4名の共作
ナチュラル
ホワイト
ブラウン
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木の椅子の作り方
モデルとしたのは昭和初期に日本で作られた西洋家具。この時代の洋式家具は家具工房によるコピーが主流だったと思います。おもしろいものでコピーといっても正確に同じ物になることはなく職人さんのアレンジが入っています。それは曲線部や材料の厚み、プロポーションなどに出てきます。
小さい椅子も同じ道をたどったわけです。この椅子と同じ物があったわけではありませんが、当時の椅子の構造や作り方を調べ編集し設計しました。ある意味コピーのコピーかもしれません。それでも、きれいだと思う線をちゃんと描くこと、伝統的な技法を使うこと、丁寧な作りをすることで不鮮明なコピーにならないよう心がけました。
同じような物がどこかにあるかもしれません。ただそれは形での話しであってすべてが同じとは思いません。作るときの気持ちが大事です。昔の職人さんもきっと同じように考えていたと思います。
